5000年以上も前にインドはヒマラヤで誕生した、世界最古の伝統医学で「生命の科学(=より健康に生きる知恵)」とも呼ばれます。
「スリランカ式アーユルヴェーダ」は、インドで生まれたアーユルヴェーダとスリランカの先住民族から代々伝わってきた(スリランカ独特の効果の高い薬草などを使った)伝統医療が融合されたものであるため、高い効能や期待されるとも言われています。
目的
アーユルヴェーダの目的は、大きくわけての2つ。
1) 治療 – 病気を治すこと
2) 健康維持(予防) – 健康な人が病気にならないよう、健康を守ること
内容
アーユルヴェーダの内容は、一般的に想像される「トリートメント(施術)」だけにとどまらず、食事方法、生活スタイルなど、起床から就寝までの過ごし方や、各季節での過ごし方、人間が生まれてから死ぬまでのサイクル、もっと大きな話になると、生命の輪廻のタームで「いかに健康に過ごすか」までに至ってきます。
よって、アーユルヴェーダは年齢や性別によって “ブーム” や “適齢期” があるわけでなく、”どんな世代・性別の方にも取り入れていただきたい”ものです。
健康の定義
アーユルヴェーダで言う 「健康の定義」 は、(感覚器官を含む)身体、精神と魂が純粋で正常に働くこと、とされています。
ドーシャとプラクリティ
3つのドーシャ
アーユルヴェーダでは、身体と心には以下の 3つのエネルギー が存在すると考えられています。
① ワータ (風) ② ピッタ (火) ③ カパ (水) この3つのエネルギーを 「ドーシャ」 と呼びます。
冷たい、乾燥、軽い、不安定、流動的
[生理的役割]
運搬・伝達・循環
温かい、やや油性、軽い、鋭い
[生理的役割]
消化・代謝・変換
冷たい、油性、重い、安定している
[生理的役割]
形成・結合・潤滑
プラクリティ
人間は、受精をして命が誕生したときに、このエネルギー(体質)のバランスが決まり、その体質のことを「プラクリティ」と呼んでいます。この「プラクリティ」は個々が持つ、3つのエネルギー(ドーシャ)の比重によって、「ピッタ・カパの体質」、「ピッタ・ワータの体質」などと分類され、種類は大きく7つの種類が存在します。
この呼び方は、よりエネルギーが多いものが前者、そのあと、次に多いものが続きます。
例)火(ピッタ)のエネルギーが多く、次にワータ(風)のエネルギーが多い私の 「プラクリティ」は「ピッタ・ワータ」 になります。
3つのエネルギーを同等にもっている人の体質を「トリ・ドーシャ」と呼びますが、全てが同じくらいのバランスのエネルギーを持っている人は大変稀だと言われています。
アーユルヴェーダでは、病気はこのエネルギーのバランスが崩れると起こると言われている為、施術以外にも食事&生活スタイルなど通じて3つのドーシャのバランスを整えるケアを行います。
そして、この「プラクリティ」を正しく判断するには、ドクターによる診断が必要です。よって、施術の際にもドクターによる問診が事前に入り、プラクリティの判断と施術メニューをドクターが決定するのが本来のアーユルヴェーダ・トリートメントです。
また「お試し」ということで、セルフチェック表などもありますが、「思い込み」などでチェックしてしまうと、判断が異なり対処法も大きく異なってくる可能性もあり危険です。アーユルヴェーダ・ドクターは「セルフチェックはしないで!」と日々発信しています。
施術(トリートメント)
施術にはどのようなものがあるのでしょうか。
アーユルヴェーダというと額にオイルを垂らす「シロダーラ」を思い浮かべる方が殆どですが、アーユルヴェーダの施術メニューは50-60種類もあると言われており、「シロダーラ」はそのうちの一つ、でしかありません。
なお、アーユルヴェーダの流れ(ステップ)は下記のように3段階に分かれ、「シロダーラ」は①のプレアクティビティに含まれる施術です。但し、シロダーラは「第3の目」と言われる大事な部分(チャクラ)を刺激する為、きちんと事前身体のコンディションを整えなくてはいけないと言われており、プレアクティビティでも準備が必要な施術メニュー。
より専門的なアーユルヴェーダを提供している施設ほど、シロダーラをいきなり提供する可能性は低いです。
(準備が整っていないタイミングでシロダーラを行うと、効果が得られないばかりか、頭痛が生じたり、気分が悪くなったりすることもあります)
[ステップ1] | プレアクティビティ | メイン・アクティビティを受ける為の体を整える期間 | ※平均3-7日 |
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[ステップ2] | メインアクティビティ | パンチャカルマと呼ばれ、メインのアクティティー | ※平均6-10日 |
[ステップ3] | ポスト・アクテビティ | パンチャカルマの仕上げ。日常生活に戻る為のフォローアップ | ※平均2-3日 |
※ご注意ください
一部のアーユルヴェーダ・ホテルでは滞在が短いとシロダーラを提供しない場所もあります。
たまにアーユルヴェーダ・ホテルに3泊程滞在されるお客様、またはそれ以上の泊数を滞在されているお客様が、
「シロダーラの施術が受けられなかった」と残念がっている声を聞きますが、ドクターが判断したトリートメント・メニューこそがお客様の心・身体の状態や滞在日数を総合的に見て最適なもの・必要とされているもの、となります。
勿論、より長くご滞在いただくことで、シロダーラを受けていただける可能性は増えますが、それでも施術の可否は、シロダーラよりも優先させるべき施術がある場合など、シロダーラの施術前に行うべき施術が多くある場合などによってシロダーラの施術提供の可否(ドクター判断による)や、タイミングは変わってきます。万が一、シロダーラを受けていただくことが出来なかったとしても残念に思わず、「最適なトリートメントが受けられた」と思っていただければと思います。